射出成形オペレーターの知識蔵

射出成形オペレーターの知識蔵プラスチック成形の安全衛生>プラスチック成形の労災事故
 厚生労働省「職場のあんぜんサイト」で、死亡などの重大事故に関する多くの労災事故事例が紹介されています。プラスチック成形に関する事故と、事故内容が関連する事故事例を纏めました。

プラスチック成形の重大労災事故

・金型
概要:成形機から取り外した4tの金型のメンテナンスのために、ピンを抜いてところ金型が倒れ、金型を支えていた作業員に倒れかかり、死亡した。
 金型は通常クレーンで吊り上げ作業していたが、事故当日はクレーンを使用していなかった。作業内容について作業手順書がなく、安全衛生教育も実施されていなかった。
詳細:射出成形機の金型のメンテナンス中に金型の下敷きとなって死亡
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101165


・成形機動作(プレス)、挟まれ
概要:金型に差し込むリングがずれ、修正しようと機械内に手を入れたところ、体の一部が起動スイッチに触れて手が挟まれた。機械は安全装置(スライド式防護カバーが設けられ、開閉を検知するリミットスイッチ)が無効化さていた。
詳細:射出成形機にて部品を加工中、機械内に手を入れた際、誤って起動スイッチに触れ、手を挟まれた
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101460

概要:成形機内に入りスピードコントローラーを交換するため圧縮空気のバルブを閉じたところ、自重によりプラグテーブルと上型が降下して挟まれ、死亡した。
詳細:プラスチック成形機の修理中、プラグテーブルとフレームの間に挟まれる
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=1039

・溶解樹脂
概要:射出成型機の射出不良による修理のため、ホッパーを取り外し内部の単価。固着した樹脂を取り除き、状態確認のためホッパーを取り外したまま樹脂を充填して射出したところ、溶融した樹脂および樹脂ガスが噴出。のぞき込んでいた作業員と側にいた計3人がやけどを負った。
詳細:熱可塑性樹脂の射出成形機の修理作業中に火傷
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101129


・火災
概要:成形機や金型周辺付着した機械油や、成形機下に堆積した埃等に溶解状態の原料のマグネシウム合金がこぼれ、着火して火災が発生。初期消火活動に際し、呼吸用保護具がなく煙を吸い込んだ。
詳細:マグネシウム成形機で発生した火災の消火活動中、煙を吸い込む
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101225

概要:廃棄物処理施設で粉砕機で爆発が発生し、集じんダクト内を火災などで伝播して集じん機が爆発した。
詳細:廃棄物処理工場でプラスチックを破砕中、粉じん爆発
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101254
※廃棄物処理施設での爆発事案ですが、射出成形でのプラスチック製品の大量廃棄等の粉砕過程でも起こりえるため紹介しています。

・その他
概要:プラスチック製品の原料ペレットが入った2段積みのフレコン(重要約1t)の下段にフォークリフトの先端が接触し。側面が破損して中のペレットがこぼれ落ちたため、破損状況の確認のため近づいた時に下段のフレコンの形状が崩れて上段のフレコンが落ちて下敷きとなった。
詳細:フレキシブルコンテナが崩れて下敷きになり死亡
https://anzeninfo.mhlw.go.jp/anzen_pg/SAI_DET.aspx?joho_no=101103

・取出機
 「職場のあんぜんサイト」の労働災害事例に取出機に関する労働災害事例の掲載はありませんでした。
 しかし、取出機に関する労災事故の発生は非常に多く、射出成形におけるリスクアセスメントにおいてもリスクの大きい項目となっています。
 実態実体験でも取出機の動作に伴う衝突による頭部の負傷。挟まれ、切れ・擦れなど多くの事故が発生していることから、其々の会社において発生した事例を活用し、事故防止と啓発活動等の取組がなされることが重要です。



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