射出成形オペレーターの知識蔵

射出成形オペレーターの知識蔵金属混入の悩み>ネジ類の混入と予防
 タンクやホッパーローダー、粉砕機や取出機などの原料やスプル・ランナーの通過経路の各種機器は取付にボルトやナット等のネジが多く使用されています。
 各種機器は生産に伴う振動により緩みや金属疲労による破断などにより、常に脱落による混入の危険性を内包しています

ネジ類の混入予防対策

  • ネジ類
  • ・ステンレスネジの排除

     混入が懸念されるネジ類の材質は、万が一の混入に備えステンレス製を排除し、マグネットで捕集が可能な鉄(スチール)に統一しておきます。
     ステンレスネジが混在が疑われるとき、使用前にマグネットトレーに仮置きすることで容易に判断することが出来ます。

  • ネジロック剤
  • ・ネジロック剤による緩み対策

     頻繁に着脱する予定のない箇所では、ネジ用の接着剤(ネジロック)を使用することで耐振動性を得ることが出来ます。ネジロックはネジ山に適量塗って締め付けるだけです。また、後で外す可能性がある箇所でも低から中強度を使用することで、取外すことも可能です。

  • バネ座金の活用
  • ・バネ座金の活用

     ボルト等を締め付ける際、ばね座金を挟むことで緩み止め効果や、緩んだ際の脱落予防効果を得ることが出来ます。
     バネ座金には裏表があり、緩み止めでは向きを正しく取付ける必要があります。

  • ・マーキングによる日常点検

     ネジを締め付けた状態でマーカーによりマーキングすることで一目で緩みの発生を確認することが出来ます。点検と組み合わせることで、ネジの緩みによる脱落を予防することが出来ます。

  • ・増し締め

     ネジは取付後に初期緩みが発生します。ネジの取付後は、数日後に同じトルクで増し締めを行うことで緩みを予防することが出来ます。

複数対策の実施
 ネジ類の混入予防では、対策を複数組み合わせることで可能な限り混入防止を図ります。
 しかし、実際に全ての混入を防止することは困難であり、万が一混入した時の被害を最小限に留めるため、緊急手順を設けて周知・実践することが重要です。

混入した際の緊急手順の例
・混入の恐れがある箇所のネジが紛失が確認された時の例
①直ちに成型機及び周辺機器の停止を行う。
②混入経路及び周辺に脱落したネジがないかを確認する。
③ネジが発見できない時、鉄(スチール)ネジ場合にはマグネット破片の付着がないかを確認する。
④②・③の結果を責任者に連絡し、再稼働するか否かの判断を得る。

・異音等や危機障害などにより混入が発見された時の例
①直ちに成型機及び周辺機器の停止を行う。
②金属が混入した範囲の特定を行う。
③周辺機器に金属混入による故障等がないかを確認する。
④②・③の結果を責任者に連絡し、金属の除去作業の実施や修繕のための判断を得る。


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