射出成形オペレーターの知識蔵

射出成形オペレーターの知識蔵原料の悩み>原料タンク・ホッパー・ホースでの色ムラ対策
 静電気が帯電したマスターバッチとナチュラルペレットとの混合原料は、タンクやホッパー内で側面に張り付くことで分離し色ムラが発生します。
 タンクやホッパーは輸送過程で静電気が発生するため、静電気に分離だけでなく、分離しても色斑が起き難くすることが必要となります。

タンク・ホース・ホッパーでの色ムラ対策

タンク内部での張り付き
 原料が静電気が帯電しているとタンク内側面に張り付くとで分離がおき、色ムラとなります。

対策:
・原料タンクの除電
 原料タンクの外側に静電気除去テープ(エレクトロメッシュ:導電性放電素子入織布など)を貼り付けることでコロナ放電により除電を行います。
・原料タンクへのアース取付
 原料タンクにアースを取付けて除電を行います。


ホース内での比重の違いによる輸送速度や落下速度の違い
 エアーを使用した輸送では比重による影響を大きく受けます。比重影響を受け難いオートローダーのホース配置が必要です。

比重差による対策:
・ホースの高低差を少なくする
 ホース内に混合原料がある状態で輸送の停止等があると、比重による分離影響を大きく受けます。ホースの高低差は最低限となるようホースの配置を見直します。
・ホーパーへの上り過程に原料が残らないローダー設定とする
 地上のローダーから成形機の上部ホッパーへの上りは、比重による分離影響を最もうける箇所です。
 オートローダーの輸送設定を見直し、輸送が停止するとき上部ホッパーへの上り過程は粉砕が通過するタイミングとなるように設定にします。


ホース内での静電気による分離
 ローダーに使用されるホースでは、内部でペレットが運ばれる際に擦れることで静電気が発生します。静電気の帯電量はマスターバッチとナチュラルペレットで異なることで分離が発生します。

静電気への対策:
・帯電防止ホースに変更する
 導電性繊維を用いた帯電防止効果の高いホースに交換します。用いる樹脂や添加した素材により使用できないものがあります。
・ホースを短くする
 マスターバッチとナチュラルペレットの混合原料が通過する箇所のホースを短くなるようオートローダーや原料タンクの配置を見直します。
・ホース内に原料が残らないようにする
 混合原料がホース内に留まるなど、輸送の勢いが衰えると静電気の強弱による張り付きが顕著に表れ分離します。
 輸送サイクルは配合機の待機バッチ全てを輸送できるよう輸送時間や配合機の設定を変更します。


ホッパー内での張り付き
 混合原料は混合による撹拌やオートローダーによる輸送により静電気が帯電しています。ホッパー内では静電気によりマスターバッチの張り付きが起きるため、マスターバッチが張り付き難いホッパー内の環境が必要です。

対策:
・ホッパー内除電装置を使用する①
 ホッパーの外側に静電気除去テープ(エレクトロメッシュ:導電性放電素子入織布など)を貼り付け、ホッパーをコロナ放電により除電を行いますする。
・ホッパー内除電装置を使用する②
 マイクロ除電装置を
 ホッパー部と成形機の間にエアー等をを送り込む為の継ぎ手を取付、マイクロ除電装置でエアーとイオンを送り込むことでタンクなの原料を直接除電を行います。
・ホッパーを小さくする
 ホッパーに張り付き影響を少なくするため、容量の少ないホッパーに交換します。張り付く面積が少なく、ホッパー内の原料の入れ替わりが早いことで色ムラが軽減します。
・粉砕をホッパーに通して張り付かせる
 粉砕機はより粉砕された樹脂は、非常に強い静電気を帯電しています。成形機の生産はじめに作った粉砕をホッパーに通すと粉砕が多量に張り付きます。粉砕が張り付いた分、マスターバッチの張り付き量が減少し色斑が軽減します。

タンク・ホッパー・輸送過程での分離

  • ・タンク、ホッパー内での偏り

     静電気により偏りが発生した混合原料です。白いマスターバッチと、黄色ぽっいナチュラル原料が分離しています。
     色味の変化や、部分的な色斑等の原因となります。

  • ・ホース内での偏り

     原料をタンクからホッパーへ輸送するためのローダーホースです。運搬過程で比重や静電気によりナチュラルとマスターバッチが分離し偏りが発生します。

 次ページ: プラスチック成形過程での色ムラ対策

原料の悩みカテゴリ

ブログ

ページのトップへ戻る