- 射出成形オペレーターの知識蔵>除電装置の効果的な活用の悩み>静電気測定器の使い方
- 除電装置による実際の効果を確認するためには、静電気測定機で除電後の対象物を測定することが必要となります。
測定機により効果を確認することで、除電時間や設置個所。帯電量に対しての除電装置の能力不足などの診断することが出来ます。
静電気測定器を使用する目的
対象物の帯電量の把握
静電気による影響が疑われる製品等について、除電装置を使用する前に測定することで帯電の極性や帯電量を把握することが出来ます。
静電気状況を知ることで、除電する際に必要となる除電装置の必要能力の判断。発生している問題と静電気との因果関係の確認。今後、静電気の影響により発生する問題の予測等に役立てることが出来ます。
除電時間(減衰時間)の算出
除電している状態の対象物を測定することで、除電が完了する時間(減衰時間)を確認することができます。必要となる減衰時間を算出し、減衰時間に余裕をもった除電時間を設けることで電極針の劣化等による能力低下等を踏まえ、連続生産においても安定した除電を継続させることが出来ます。
除電装置の配置箇所の適否判断
除電装置による除電では、除電装置の除電能力だけでなく、周囲に環境により実際の除電結果に大きな違いが発生します。
除電装置の能力や除電時間が充分にあるとき、除電装置の設置箇所等を見直して効果に変化があるかを検証することが出来ます。
除電能力の過不足判断
除電を終えた対象物を測定することで、除電が完了したかを確かめることができます。除電時間(減衰時間)が限られる場合で、除電が完了していなければ用いた除電装置の除電能力が不足していると判断することが出来ます。
除電装置を増やす。除電装置の種類を変えるなどの参考情報とすることが出来ます。
静電気測定器を使用上の注意
静電気測定器は、対象物との僅かな距離の違い。作業者による静電気。対象物周辺の状況により、測定結果に大きな差が発生します。
使用時は説明書を良く確認し、正確に使用することが大切です。
射出成形による製品の静電気測定では、より正確に測定するために次の通り注意が必要です。
静電気状況が安定してから測定する
成形開始から静電気が発生しますが、周辺設備等も徐々に静電気を帯電します。静電気の影響を強く受ける状態を確認するためは、成形開始から数時間(3時間程度)経過後に測定することが必要です。
測定機は毎回同じとなるように固定する
測定方法等の違いにより測定結果に影響が出ないよう、測定器の距離。対象物と測定器の角度。測定する方向などの諸条件を同一となるように固定して使用します。
測定結果は複数回計測して平均を求める
静電気の状況は、同じ状態での成形でも振れ幅があります。連続成形での測定では、コンベア上などに測定機を設置し、手を加えずに流れてくる対象物を複数回計測して平均値を求めます。
除電能力測定機による性能評価
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・静電気測定器のセンサー部
静電気測定機のセンサー部です。右側の長方形の窓がセンサー部。対象物との距離が正確となる位置に設置して使用しなければなりません。 -
・測定状態のセンサー部
センサーの表示灯が点灯し、センサー正面の対象物の静電気を測定しています。
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・帯電モニター
センサーにより測定した対象物の数値です。静電気の強弱や+-を数値化することが出来ます。
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