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射出成形オペレーターの知識蔵金属混入の悩み>金属除去用マグネットによる捕集
 原料に混入した金属は、成形機のスクリュー等を傷つけ、深刻な障害を与えます。スクリュー破損は多額の修繕費が必要となるだけでなく、生産が停止するなど事業活動に大きな影響を与えます。
 金属除去用マグネットの使用は、金属混入時に機器の破損を予防する最後の保護具です。
金属除去用マグネットの効果
 金属除去用マグネットは、強力な磁力利用することで金属の捕集・除去を行います。
 このため、鉄やスチールなど磁石に吸着する金属に効果が期待できますが、ステンレスやアルミと言った磁石に吸着しない(吸着が弱い)金属除去には効果がありません。

金属除去用マグネットの種類
・ホッパー内マグネット
 成形機直上のホッパー内に設置することで、通過する樹脂に混入した金属を捕集します。
・搬送経路用マグネット(バキュームラインマグネット、インラインマグネットなど)
 ローダーホースの経路上に設置することで、通過する樹脂に混入した金属を捕集します。
 ホッパーに変わり乾燥機を使用する場合など、ホッパー内マグネットを利用できない場合でも金属除去を行うことが出来ます。
 搬送経路上に設置するため、設備が稼働中でもマグネットの金属付着状況の点検や清掃を行い易い。というメリットがあります。

金属除去用マグネットの磁力低下問題
 基本的にマグネットは熱に弱く、高温に晒されることで磁力が低下します。
 ホッパー内は加熱筒から伝わる熱により高温となるため、ホッパーが想定以上に高温とならないようホッパー部の冷却を適切に行わなければなりません。
 また、ホッパー用マグネットは製品により耐熱温度に異なります。実際の使用では、耐熱温度が予定される使用環境から余裕を持った耐熱温度のホッパーマグネットを使用することで磁力低下を予防することができます。
 ホッパー用マグネットの耐熱温度(限界使用温度)は、80℃~250℃以下の範囲で種類があります。

金属除去用マグネットによる金属の捕集

  • ホッパー用マグネット
  • ・ホッパー用マグネット

     ホッパー内に設置して使用するホッパー内マグネットです。
     広く使用されるプラスチック成型の定番です。汚れの清掃や付着した金属除去が作業し難いです。

  • ホース用マグネット
  • ・搬送経路用マグネット

     ホッパーと原料タンクや粉砕機をつなぐローダーホースに使用するマグネットです。
     搬送経路上のため連続成形の途中でもマグネットの金属付着状況の点検や清掃を行い易い。というメリットがあります。

  • ホッパー部の冷却回路
  • ・ホーパー部の冷却回路

     加熱筒による高温がホッパーに伝わらないようにするホッパー部の冷却回路です。
     ホッパー温度は成型機により監視されていますが、監視温度設定が不適切。冷却水を通さずにヒーターを入れる等の行為があると、マグネットが高温により磁力低下を招きます。

金属除去用マグネットの清掃と効果
 金属除去用マグネットは、表面に捕集した金属が付着します。このため、定期的に付着した金属を手作業で除去しなければなりません。
 ホッパー内マグネットは、金属捕集マグネットの中で安価なものからあり導入が容易です。しかし、清掃や金属付着状況の確認は、生産を停止してホッパー内の原料を抜いて作業しなければならず、連続稼働の生産にはやや不向きです。
 また、見た目が同じホッパー内マグネットでも内部に用いられた材質等により磁力が大きく異なり、更に使用とともに磁力は低下していきます。
 磁力低下が疑われる時には新品等を比較して入替の検討が必要です。

搬送経路用マグネットの追加設置の検討
 ホッパー内マグネットによる金属捕集では、使用環境により常に十分に金属捕集効果を得ることが出来るわけではありません。
 ホッパー内マグネットを設置しても金属がスクリュー等の破損や製品等への練り込みが度々発生する時には、追加対策として搬送経路用マグネットを追加設置することが効果的です。
 搬送経路用マグネットの追加検討では、磁力が強くより捕集効果の高い製品もあります。

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