射出成形オペレーターの知識蔵

射出成形オペレーターの知識蔵原料の悩み>プラスチック成型の色ムラ原因
 プラスチック成形の色斑原因の多くは、着色剤とナチュラル原料との混合不良や工程過程での分離で発生します。色ムラ対策では、着色に使用されるマスターバッチやドライカラーやリキッドカラーなど着色方法の違いによる色斑に繋がる特徴を理解することから始まります。

・着色方法の種類と色ムラ発生に関する特徴

マスターバッチ
 高濃度の顔料が練り込まれたペレット状着色剤で、ナチュラルペレットと混ぜて使用します。使用時に混ぜるナチュラルペレットの量を変えることで、容易に色の濃さを変えることが出来ます。成形現場で使用する自動混合器の多くが対応しています。
 ドライカラーやリキッドカラーと比べて混合が容易で取り扱いし易いです。
欠点:ナチュラルペレットと比重が異なる。練り込まれた顔料等の影響で静電気の帯電量に差が生まれます。

ドライカラー
 粉末状の着色剤でナチュラルペレットに混合(塗す)して使用します。安価で利用することが出来ますが、粉末の飛散や機器に付着し汚れます。
欠点:ブロア等を使用したエアーによる輸送によって粉末が飛散するため色が変化します。(多くの場合で使用できない。)
 ブレンドタンク等の設備で十分に混合しないと粉末の塊による色ムラが発生します。
 成形機ので計量性が悪く、スクリューの空転によるヤケや成形サイクルが間に合わず不良製品となることがあります。

リキッドカラー
 液状の着色剤でナチュラルペレットに混合(塗す)して使用します。粉末状のドライカラーと似た特徴がありますが、液状のため飛散しません。
欠点:ブレンドタンク等の設備で十分に混合しないと粉末の塊による色ムラが発生します。

着色ペレット
 製品の色と同じとなる濃度で顔料が練り込まれたペレットで混合の手間がなく、安定した色斑が発生しません。しかし、コストが高額となります。
欠点:色の濃さを後から変えることができません。

・マスターバッチ使用による主な色ムラの原因

混合過程
・ブレンドタンク内部への張り付き
 マスターバッチとナチュラルペレットをブレンドタンクで混合すると、内部のペレットは摩擦により静電気を帯電します。帯電する静電気の強さはマスターバッチとナチュラルペレットで異なります。
 静電気によるブレンドタンク内部に張り付きが起きるため、静電気の強さの差によりブレンドタンクから抜き出すと混合ムラが発生します。

・配合機の待機バッチでの張り付き
 配合機でも マスターバッチとナチュラルペレットを撹拌するとペレットは摩擦により静電気を帯電します。帯電する静電気の強さはマスターバッチとナチュラルペレットで異なるため、混合済みの待機バッチからローダー等で輸送する際に、静電気の強さの差により混合ムラが発生します。

輸送過程
・タンク内部での張り付き
 マスターバッチとナチュラルペレットの混合済みを原料タンクに入れると、帯電する静電気の強さにより、タンク内側面に張り付きにより分離し、混合ムラが発生します。

・ホース内での輸送速度や落下の違い
 マスターバッチとナチュラルペレットは比重が異なるため、ローダー等によるエアーでの輸送を行うと輸送速度等に差があることで分離し、混合ムラが発生します。

・ホッパー内での張り付き
 マスターバッチとナチュラルペレットの混合済みを原料がホッパーに蓄えられると、帯電する静電気の強さにより、ホッパー内側面に張り付きにより分離し、混合ムラが発生します。

成形過程
・スクリュー内の混錬不良
 マスターバッチとナチュラルペレットを加熱等で融解させて混錬し濃度を均一にしますが、混錬が不足すると色の濃いマスターバッチの顔料が充分に広がらないことで色斑が発生します。
  • ・マスターバッチとナチュラルの混合原料

     ナチュラル原料とマスターバッチを混合した原料です。マスターバッチの濃度と求める製品色味により、混合比率が異なります。混合比が高いほど色斑が発生し易くなります。

次ページ:射出成型のブレンドタンク・配合機での色ムラ対策

原料の悩みカテゴリ

ブログ

ページのトップへ戻る